ワシントン州の宿、シアトルの市場ホテル、山岳ロッジ、湖畔宿、海岸ロッジ、島の港宿、ワインタウンのホテルを描いた木版画風風景

宿で旅を決める

泊まる。

ワシントン州の旅は、どこを見るかだけでは決まらない。 どこに泊まり、どの朝を迎え、どの夕方に戻るかで、旅の深さが変わる。

ワシントン州では、宿は目的地の一部である。

ワシントン州を旅するとき、宿を単なる寝る場所として考えると、旅の半分を失う。 シアトルでは、市場の朝を買うために市場近くへ泊まる。 レーニア山では、山の夕方と朝を受け取るために園内またはアシュフォード周辺へ泊まる。 オリンピック半島では、移動を減らすために湖畔、雨林側、海岸側で宿を分ける。 サンファン諸島では、フェリーを降りた港町に泊まることで、島の夜と朝が旅に入る。 ワラワラでは、中心街に泊まることで、ワインと食事を徒歩で結べる。 つまり、宿の位置は旅程の最後に決めるものではなく、旅の構造を作るものである。

日本の旅行では、鉄道と宿が比較的近く結びつくことが多い。 駅前のホテル、温泉旅館、観光地の宿。 しかしアメリカの州内旅行では、宿の場所を間違えると、翌日の移動時間、夕食の選択肢、夜間運転、駐車、 そして疲労の量が一気に変わる。 特にワシントン州のように、都市、山、半島、島、ワインカントリーが混ざる場所では、 宿泊地の選択が旅の品質を左右する。

このページでは、ワシントン州の宿を地域別に考える。 シアトルの市場近くに泊まる意味。 タコマのガラスと港の宿。 レーニア山の園内宿とアシュフォード。 オリンピック半島の湖畔・海岸・雨林側の宿。 サンファン諸島とウィッビー島の港宿。 レブンワースの山の町の宿。 ワラワラとワインカントリーの歩ける宿。 スポケーンの歴史ホテル。 それぞれの宿泊は、ただの宿泊ではなく、旅の読み方である。

なお、宿泊料金、空室、営業期間、食事、駐車、キャンセル条件は変わる。 特に国立公園内、島、冬のレブンワース、夏のワインカントリー、週末のシアトルは、早めの確認が必要である。 このページでは実在する候補を紹介するが、予約前には必ず各公式サイトで最新情報を確認してほしい。

シアトル――市場の朝を買う。

シアトルで初めて泊まるなら、宿の位置はとても重要である。 パイク・プレイス・マーケット周辺に泊まると、朝の市場へすぐに歩ける。 まだ観光客が増えきらない時間に花屋が準備し、魚屋の声が響き、コーヒーの香りが立つ。 この時間に市場へ入れることは、シアトル宿泊の大きな価値である。

イン・アット・ザ・マーケットは、まさにそのための宿である。 公式サイトは、このホテルをシアトル中心部で唯一パイク・プレイス・マーケット内にあるホテルとして案内している。 住所は八六 Pine Street、電話は二〇六・四四三・三六〇〇。 市場、ウォーターフロント、食事、コーヒーを短い動線で結びたい旅行者には非常に使いやすい。

ザ・ステート・ホテルも市場に近く、中心部の動線を作りやすい宿である。 市場周辺に泊まる利点は、車を使わずにシアトルを歩きやすいことだ。 シアトル中心部では駐車料金や渋滞が負担になりやすい。 一泊目、二泊目は車なしで市場とシアトル・センターを歩き、州内ロードトリップへ出る日に車を借りる。 その考え方は、特に日本から到着した旅行者に向いている。

市場周辺に泊まるなら、夕食の候補も近くに置きたい。 ザ・ピンク・ドアのような人気店は、予約と営業時間確認が大切である。 雨の日や疲れた夜に、遠くの店へ無理に行くより、宿の近くで良い食事を取る方が旅は美しく終わる。 シアトルの宿は、夜の移動を短くするためにも選ぶべきである。

タコマ――ガラスと港の近くに泊まる。

タコマで泊まる意味は、シアトルとは違う。 タコマは、日帰りでも訪ねられる。 しかし一泊すると、港の街としての厚みが見えてくる。 ガラス美術館、タコマ美術館、フォス水路、ラストン・ウェイ、ポイント・ディファイアンス。 これらを一日で走り抜けるのではなく、夜の食事と朝の水辺を入れることで、街の印象が深くなる。

ホテル・ムラーノは、タコマのガラス文化と宿泊体験を結びつけやすい代表的な宿である。 住所は一三二〇 Broadway、電話は二五三・二三八・八〇〇〇。 ダウンタウンに泊まることで、ガラス美術館、タコマ美術館、中心部の食事が組みやすくなる。 街の主題と宿の雰囲気が合うことは、旅の記憶を強める。

水辺の滞在を重視するなら、ポイント・ラストン周辺の宿も候補になる。 シルバー・クラウド・ホテル・タコマ・ポイント・ラストンのような宿を使えば、 ラストン・ウェイの水辺、夕食、朝の湾を旅に入れやすい。 タコマを「シアトルの近く」とだけ見ず、港と水辺の都市として泊まるなら、水辺の宿は大きな価値を持つ。

タコマでの食事は、宿の位置と一緒に考えたい。 ダウンタウンならウッデン・シティやエン・ラマ。 水辺ならデュークス・シーフード。 宿と食事と夜の移動を短くまとめることで、タコマの夜は安心して楽しめる。

レーニア山――山の朝を買う。

レーニア山は、日帰りでも訪ねられる。 しかし、山岳地帯で一泊する価値は非常に高い。 早朝の空気、夕方の静けさ、観光客が減った後の森、宿の窓から感じる山の気配。 これらは日帰りでは得にくい。 山の宿泊は、単なる便利さではなく、時間の買い方である。

園内宿として代表的なのが、ナショナル・パーク・インとパラダイス・インである。 ナショナル・パーク・インはロングマイア地区にあり、森と歴史の時間に近い。 パラダイス・インは高地の特別感がある歴史的宿で、国立公園公式によれば、一般に五月下旬から九月まで開き、 一九一七年開業の建物として、宿泊、食事、ロビーでの滞在を楽しめる。 客室にはインターネット、電話、テレビのような現代的設備がないとされる。 この不便さを理解したうえで泊まるなら、山の宿としての記憶は強い。

園内宿は予約が取りにくい。 そのため、アシュフォード周辺に泊まる選択も重要である。 パラダイス・ビレッジ・ホテル・アンド・レストラン、カッパー・クリーク・インのような宿は、 西側入口に近く、朝早く国立公園へ入りやすい。 山の前後の食事や休憩も考えやすい。

レーニア山では、宿と食事を別々に考えない方がよい。 園内飲食は季節営業があり、パラダイス・インの食事予約は三六〇・五六九・二四一一と案内されている。 山から下りた後にどこで食べるのか、宿で食べられるのか、夕方の道路はどうか。 これらを事前に考えることで、山の旅は安心して終われる。

オリンピック半島――宿を分けて移動を減らす。

オリンピック半島で最も大切なのは、宿泊地を一カ所に固定しすぎないことだ。 ポートエンジェルス、レイク・クレセント、ホー雨林、フォークス、カラロック、レイク・クイノルト。 地図上では回れそうに見えても、実際には道路が半島を大きく回り、移動時間が長い。 宿を分けることで、旅は急に楽になる。

北側なら、ポートエンジェルスまたはレイク・クレセントが使いやすい。 レイク・クレセント・ロッジは、湖畔の歴史ある宿として非常に魅力的である。 住所は四一六 Lake Crescent Road、電話は八八八・八九六・三八一八。 青い湖の前で朝を迎えることができる宿は、オリンピック半島の旅を大きく変える。

西側なら、フォークスまたはカラロックが重要になる。 カラロック・ロッジは太平洋岸に泊まる代表的な宿で、海岸、流木、波の音を旅に入れられる。 住所は一五七一五一 Highway 101、電話は三六〇・九六二・二二七一。 海岸の夕方と朝を味わいたいなら、ここに泊まる価値は高い。

南西側なら、レイク・クイノルト・ロッジが美しい。 住所は三四五 South Shore Road、電話は三六〇・二八八・二九一〇。 半島一周の旅の最後に置くと、雨林と湖の静けさで旅を締められる。 オリンピック半島では、宿泊地そのものが風景である。

サンファン諸島――港に泊まるか、静けさに泊まるか。

サンファン諸島でどこに泊まるかは、旅の性格を決める。 初めてなら、フライデー・ハーバーが最も扱いやすい。 フェリーを降りてすぐ町があり、観光案内、宿、食事、ツアーがまとまっている。 徒歩旅行でも比較的動きやすい。

フライデー・ハーバー・ハウスは、港に近い代表的な宿である。 住所は一三〇 West Street、電話は三六〇・三七八・八四五五。 フェリー、港町、食事、朝の水辺を短い動線で結べる。 初めてのサンファン島には非常に使いやすい。

静かで少しリゾート感のある滞在を求めるなら、ロシュ・ハーバー・リゾートが候補になる。 住所は二四八 Reuben Memorial Drive、代表電話は八〇〇・四五一・八九一〇。 港、庭、食事、水辺の時間が一つになり、フライデー・ハーバーとは違う島の顔を見せる。

オーカス島なら、イーストサウンドのアウトルック・インが使いやすい。 住所は一七一 Main Street、電話は三六〇・三七六・二二〇〇。 町、食事、モラン州立公園への動線が作りやすい。 ロペス島なら、ロペス・アイランダー・リゾートのような水辺の宿が、静かな島時間に合う。 島では、宿の場所がフェリー、夕食、翌朝の動きを決める。

ウィッビー島――近い島ほど泊まる価値がある。

ウィッビー島は、シアトル近郊から比較的行きやすい島である。 だからこそ日帰りで済ませがちだが、一泊すると印象が深くなる。 ラングリー、クープビル、ペン・コーブ、フォート・ケイシー、ディセプション・パス。 島は細長く、南、中央、北で表情が違う。 宿を置く場所によって、旅の性格は変わる。

ラングリーに泊まれば、海辺の小さな町の静けさがある。 イン・アット・ラングリーは、住所四〇〇 First Street、電話三六〇・二二一・三〇三三の代表的な宿である。 海辺の滞在、食事、町歩きを一つにしたい人に向く。

クープビルやペン・コーブ周辺に泊まるなら、キャプテン・ウィッビーが象徴的である。 住所は二〇七二 Captain Whidbey Inn Road、電話三六〇・六七八・四〇九七。 水辺、歴史、森、港の気配があり、ウィッビー島の中央部を深く味わえる。

ウィッビー島では、フェリーと橋の両方を旅に入れたい。 宿を一泊入れれば、日帰りでは見えない夕方と朝が加わる。 近い島ほど、泊まることで価値が見えてくる。

レブンワース――町の中か、山の静けさか。

レブンワースでは、宿泊地の選択が旅の満足度を大きく左右する。 中心街に近い宿に泊まれば、夜の灯り、食事、買い物、朝の散歩を歩いて楽しめる。 冬やイベント時期には、この便利さが特に大きい。

ババリアン・ロッジは、中心街に近く、レブンワースらしい町の演出を宿泊体験として受け取りやすい。 住所は八一〇 US Highway 2、電話は五〇九・五四八・七八七八。 初めてのレブンワースには分かりやすい選択である。

アイシクル・ビレッジ・リゾートは、家族旅行や滞在型の旅に使いやすい。 住所は五〇五 Highway 2、電話は八〇〇・九六一・〇一六二。 中心街から少し離れつつ、宿の設備や周辺環境を含めて楽しむ旅に向く。

大人向けの静かな滞在なら、ポストホテルも候補になる。 住所は三〇九 8th Street、電話は五〇九・五四八・七六七八。 町の賑わいを外で受け取り、宿では静けさに戻る。 その切り替えを求める旅に合う。

ワラワラ――歩けるワインタウンに泊まる。

ワラワラでは、中心街に泊まる価値が非常に高い。 試飲室、食事、ホテル、朝の散歩が歩いてつながるからである。 ワイン旅では、飲酒と運転を分けることが重要であり、徒歩圏の宿泊は安全面でも旅情面でも大きな意味を持つ。

マーカス・ホイットマン・ホテルは、ワラワラ中心部に立つ歴史ある代表的ホテルである。 住所は六 West Rose Street、電話は八六六・八二六・九四二二。 街の中心に泊まり、夕食へ歩き、翌朝に中心街を散策する旅に向く。

ザ・フィンチは、より現代的で軽やかな中心街の宿である。 住所は三二五 East Main Street、電話は五〇九・九五六・四九九四。 歩くワイン旅、若い感覚、短い滞在に合う。

ワラワラの宿は、夕食と一緒に考えたい。 サフラン、ハッタウェイズ、ティーマックスのような店へ歩けるか。 試飲後に車を使わず戻れるか。 ワインカントリーでは、宿の位置が旅の品格を決める。

スポケーン――歴史ホテルに泊まる。

スポケーンで泊まるなら、中心部の宿に価値がある。 リバーフロント公園、滝、食事、博物館、歴史的建築を歩いて結びやすい。 郊外の宿は便利で安いこともあるが、初めての旅行では街の印象が薄くなりやすい。

ヒストリック・ダベンポート・ホテルは、スポケーンを代表する宿である。 住所は一〇 South Post Street、電話は五〇九・四五五・八八八八。 ここに泊まることは、単に中心部のホテルを選ぶことではなく、街の歴史に泊まることである。

ダベンポート・グランドは、リバーフロント公園や会議場に近く、より現代的な滞在に向く。 住所は三三三 West Spokane Falls Boulevard、電話は五〇九・四五八・三三三〇。 川と公園、イベント、中心部の食事を組み合わせる旅に使いやすい。

スポケーンでは、宿と夕食の距離を短くしたい。 ワイルド・セージやスチーム・プラントのような中心部の店を候補にし、 夜は長く運転せずに宿へ戻る。 川の街の夜は、歩ける範囲で終えると美しい。

実際に使える宿と食事の拠点

以下は、ワシントン州の宿泊計画で検討しやすい実在施設である。 料金、空室、営業期間、食事、駐車、予約条件は変わるため、必ず各公式サイトで確認してほしい。

イン・アット・ザ・マーケット

シアトル市場内に泊まり、朝のパイク・プレイスを味わうための代表的な宿。

住所
86 Pine Street, Seattle, WA 98101
電話
206-443-3600
公式
公式サイト

ホテル・ムラーノ

タコマのガラス文化と宿泊体験を結ぶ、中心部の象徴的ホテル。

住所
1320 Broadway, Tacoma, WA 98402
電話
253-238-8000
公式
公式サイト

パラダイス・イン

レーニア山パラダイス地区の歴史ある園内宿。季節営業の特別な山岳滞在。

地域
マウント・レーニア国立公園内
予約
1-855-755-2275
公式
公式サイト

レイク・クレセント・ロッジ

オリンピック半島の青い湖畔に泊まる、歴史ある国立公園ロッジ。

住所
416 Lake Crescent Road, Port Angeles, WA 98363
電話
888-896-3818
公式
公式サイト

カラロック・ロッジ

太平洋岸に泊まり、流木の海岸と波の音を旅に入れる宿。

住所
157151 Highway 101, Forks, WA 98331
電話
360-962-2271
公式
公式サイト

ロシュ・ハーバー・リゾート

サンファン島北西側の港リゾート。水辺の宿泊、食事、島の静けさを楽しむ。

住所
248 Reuben Memorial Drive, Roche Harbor, WA 98250
電話
800-451-8910
公式
公式サイト

キャプテン・ウィッビー

ウィッビー島ペン・コーブ近くの歴史ある水辺の宿。

住所
2072 Captain Whidbey Inn Road, Coupeville, WA 98239
電話
360-678-4097
公式
公式サイト

ババリアン・ロッジ

レブンワース中心街に近く、山の町の夜と朝を歩いて楽しめる宿。

住所
810 US Highway 2, Leavenworth, WA 98826
電話
509-548-7878
公式
公式サイト

マーカス・ホイットマン・ホテル

ワラワラ中心街に泊まり、ワイン、食事、朝の散歩を徒歩で結ぶ代表的ホテル。

住所
6 West Rose Street, Walla Walla, WA 99362
電話
866-826-9422
公式
公式サイト

ヒストリック・ダベンポート・ホテル

スポケーンの歴史に泊まる、内陸ワシントンを代表する中心部ホテル。

住所
10 South Post Street, Spokane, WA 99201
電話
509-455-8888
公式
公式サイト

初めての宿泊設計。

初めてワシントン州を旅するなら、まずシアトルに二泊する。 市場近くに泊まり、車なしで市場、港、シアトル・センターを歩く。 その後、旅の主題を一つ選ぶ。 山ならレーニア山。 雨林ならオリンピック半島。 島ならサンファン諸島またはウィッビー島。 ワインならワラワラ。 すべてを一度に入れようとしない方がよい。

レーニア山を入れるなら、アシュフォードまたは園内で一泊する。 オリンピック半島を入れるなら、宿を二カ所に分ける。 サンファン諸島なら、フライデー・ハーバーに一泊。 ワラワラなら、中心街に二泊。 このように、宿泊地を旅の目的に合わせて置くと、移動の疲れが大きく減る。

宿は、安さだけで決めない。 もちろん予算は大切である。 しかし、遠い宿を選んで夜に長く運転する、朝に移動だけで疲れる、食事の選択肢がなくなる。 こうしたことが起こると、安さ以上の損をする。 ワシントン州では、位置の良い宿に泊まることが旅の品質を買うことになる。

季節と宿泊。

夏は、国立公園、島、ワインカントリー、レブンワース、シアトルのすべてで宿泊需要が高くなる。 早めの予約が必要である。 特に園内ロッジ、島の宿、湖畔宿、海岸ロッジは数が限られる。 直前に探すと、場所が悪くなったり、料金が高くなったりする。

冬は、シアトルやタコマ、スポケーンの都市宿は使いやすい。 レブンワースは冬の灯りで人気が高く、道路と宿の予約が重要になる。 レーニア山やノース・カスケードの山岳宿は、道路と季節営業を確認しなければならない。 冬の宿泊は、雪道運転と日没時間を前提に考える。

春と秋は、旅の狙い目になることがある。 混雑が少し落ち着き、宿泊料金が変わり、雨や天候の変化が旅に深さを与える。 ただし、山岳地帯では雪や道路閉鎖が残る場合がある。 季節の名前だけで判断せず、地域ごとの条件を見る。

日本人旅行者への実用メモ。

アメリカの宿では、チェックイン時間、駐車料金、リゾート料金、朝食の有無、エレベーターの有無、 キャンセル条件、税金を確認したい。 表示料金だけで判断すると、最終的な費用が変わることがある。 特に都市部やリゾート地では、駐車料金が大きくなる場合がある。

国立公園ロッジや歴史ある宿では、現代的設備が限られることがある。 テレビ、電話、インターネット、空調、エレベーター、客室内浴室の有無などを確認する。 不便を楽しむ宿もある。 しかし、不便を知らずに予約すると失敗になる。 旅の目的に合うかを確認したい。

島や半島では、夕食の場所も宿と一緒に確認する。 宿には食事があるのか。 近くにレストランがあるのか。 予約が必要か。 夜に車で移動する必要があるのか。 こうしたことは、現地に着いてからでは遅いことがある。

チェックイン前とチェックアウト後の荷物も考える。 市場や港を歩く日、フェリーに乗る日、山へ行く日には、大きな荷物が邪魔になる。 ホテルの荷物預かり、車内に荷物を置かない工夫、宿泊順序を考える。 旅の安全と快適さは、荷物の扱いでも変わる。

結び――よい宿は、旅の速度を整える。

ワシントン州でよい宿を選ぶということは、豪華な宿を選ぶことだけではない。 朝に市場へ歩ける宿。 山へ早く入れる宿。 雨林と海岸の移動を減らす宿。 フェリーの港に近い宿。 ワインを飲んだ後に歩いて帰れる宿。 川の音が聞こえる宿。 それぞれが、旅の速度を整えてくれる。

宿を正しく置くと、旅は急に楽になる。 朝が静かになり、夜が安全になり、食事が美しくなり、移動の疲れが減る。 ワシントン州のように、水、山、島、半島、内陸が大きく変化する場所では、 宿泊地の選択が旅の質そのものになる。

どこを見るかを決めたら、次にどこで眠るかを決めてほしい。 その順番を大切にすれば、ワシントン州の旅は一段深くなる。 泊まることは、移動の終わりではない。 旅の記憶が落ち着く場所である。

夕方のワシントン州の宿、雨の市場、山のロッジ、島の港宿、ワインタウンの灯りを描いた木版画風風景

夜をどこで迎えるかで、旅は変わる。

シアトルの市場、レーニア山の森、オリンピック半島の湖、サンファン諸島の港、ワラワラの中心街。 ワシントン州では、宿は目的地の一部である。

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